上手になりたいとも思ってないけどな
いつまで経ってもさよならが上手に言えない。
初恋の人と自然消滅した高校一年生の夏の終わりか、
何も言わずにいなくなった実父の姿か、
他にもたくさん心当たりはあるけど、それらの誰のせいにもしたくない。
私はさよならが下手。致命的に下手。
さよならのためには新しく手を取ってくれる誰かが必要だと答えを出してしまった。
でもそれは正しかったのだろうか。
正しさの国の人々は、それを許してくれない気がする。
その割に自分からは何も言わないんだから、ずるいよね、正しさの国の人々。